言葉のさんぽ道

~気ままに写真とゲームの話題が更新されるはず~

昨日のスピーチ

はい、昨日は会社の全体会議で司会をやってきましたよ。
前も書いたけどうちの会社は司会が最後にスピーチをしなきゃならんとです。
最初はソラでスピーチしなきゃいけないかと思っていたけれど、
なんか紙を見ながらでも良い雰囲気だったのでチラチラ下を見つつスピーチしてました。
スピーチ内容は以下な感じ。

スピーチ

本日のヴィジョンは「ステップアップ」とさせて頂きました。
 
これは、私の好きな言葉から引用したものです。
その言葉とは、
「人生において大きな壁にぶちあたっても嘆く事はない。
 それは貴方を成長させるステップとなるはずだから」
というものです。
 
本日は、自分がこの言葉を実感できた時の体験談を、お話させて頂きたいと思います。
 
それは、新人研修が終わって1〜2ヶ月経った頃のことです。
上長から「池田君、お客様との打ち合わせに一緒に行くよ」と言われました。
当時私は、PJで開発していたシステムの、根幹というか、肝の部分の構築を担当していた為、
現在どう開発を進めているかお客様に説明して欲しいとのことでした。
 
私にとってその技術は全く未知のもので、試行錯誤を繰り返し、
サンプルプログラムを継ぎ足したような継ぎ接ぎだらけの状態で、
その機能を構築していました。
そのため、殆ど技術的な理解ができておりませんで、
説明して欲しいといわれても非常に不安で、
何を説明すれば良いのかすら解らない状態でした。
取りあえず現状の実装状況や、実現可能レベル等の報告をすれば良いと思い、
打ち合わせ用の準備を致しました。
 
さて、打ち合わせ当日です。社会人になって初めてのお客様との打ち合わせです。
当然、非常に緊張しました。
進行は上長や先輩が音頭を取ってくれたので、スムーズに進みました。
私の作業内容についても、たどたどしくはありますが、無事に説明することができました。
しかしそこでお客様から一つ、質問されます。
「その機能を利用して、こうこうこういう事を実現したいと思うのですが、できるでしょうか?」
予想外の質問に、頭が真っ白になりました。
何も考えられなくなってしまったのです。
しかし答えない訳にもいかない。
咄嗟に出た言葉は次のようなものでした。
「ちょっと解りません・・・すいません、新人なもので・・・」
最悪です。
今思い出しても背筋が凍ります。
血の気が引きます。
 
打ち合わせ後、すぐに上長と先輩に叱責されました。
「あんな事を言ってはいけない。新人などと言ってはいけない。
お客様は君をプロとして見ているんだから」
何時もは温和な上長の、真剣な表情。今でも忘れられません。
 
そして私はようやく気付きます。
自分が新人という立場をスケープゴートにし、多くのことから逃げていた事を。
高度な技術が解らなくても新人だからしょうがない。
仕事に時間がかかってしまっても新人だからしょうがない。
無意識のうちに自分はそう思っていたのではないか。
新人という肩書きを免罪符に、様々な責任から逃げていたのではないか。
その日初めて、自分の目の前に新人という名の壁があることに気が付きました。
 
その後、私は自分の発言を恥じ、新人という壁を乗り越えるべく意識を変え、
日々の作業に取り組んでいきました。
ともすれば新人という立場に逃げてしまいそうな時も、ぐっと堪え、
正面から責任を受け止めるようになりました。
 
初めての打ち合わせの後も、上長は私を見捨てる事無く、
毎回の打ち合わせに連れて行ってくれました。
勿論その後の打ち合わせにおいても予想外の質問をされたりしましたが、
意識を変え前向きに取り組んでいたからでしょうか。
特別に技術力や知識が向上した訳でもないのに、私はきちんと自分の言葉で、
自信を持って答えることができるようになっていました。
 
そして日々は過ぎ、最後の納品の日です。
特にPJに問題は無く、期日通りに納品物をお客様に渡すことができました。
その日は、自分の中で、新人という壁を乗り越え、
真の意味での我が社の一員へとステップアップできた日だと思っております。
 
 
今、壁にぶつかって苦しい思いをしている人は勿論、
今はまだ壁にぶつかって居ない人も、長い人生の先で壁にぶつかってしまった時に。
そんな時に、今日の話が、「そうだ、この壁を越えた所に成長した自分がある。
この壁は自分をステップアップさせる為の糧だ」と思い、
自らを奮い立たせるきっかけになれれば、幸いです。
 
最後になりますが、2005年度新卒の皆さん。
貴方達の前には洋々たる未来が開けています。
と同時に、それは乗り越えなければいけない壁=ステップも数多くあるということです。
どうかミスを恐れず。ミスに挫けず。前向きな姿勢で色々な事に取り組んで下さい。
そして多くの仲間達と協力し合い、壁を乗り越えステップアップしていって下さい。
我が社の一員として共に働けることを、心待ちにしております。
 
 
以上で、司会者の挨拶を終了させて頂きます。
御清聴、ありがとうございました。
 

ほんとは

ちなみに約8割程捏造されているのは君と僕との間だけの秘密だっ