言葉のさんぽ道

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(MetalSaga) ハンター日記 その2 −死神−

砂塵と血煙の舞う中で、俺は未だ生きている。
身体に染み付いたオイルと火薬の臭いはもうこびりついて落ちやしない。


昔は「ゆうしゃ」だの「ベテランハンター」だのと呼ばれる事もあったが、次第に「ブッチャー」やら「死神」とまで呼ばれるようになった。昔は賞金首を追いかける立場だったのが、今では俺を倒し名を挙げようとするチンピラに追われる立場になっちまった。この前もジャンクヤードの酒場で俺に喧嘩を売ってきたチンピラを新鮮な実験材料としてサイコなドクターに提供してやった。
結局の所、どれだけ賞金首を倒そうが、どれだけ金を得ようが、どれだけ戦車を手に入れようが、俺の求めるハンター像というのものはそこになかった。あのゴミ山に囲まれて暮らすクソッタレな生活に嫌気がさして俺はハンターになった。ハンターになればスリリングでエキサイトな毎日が約束されている。それがこの世界で生きる人間の謳い文句だったはずなのに。
なのに俺は今、鉄クズと化した戦車3台と仲間だった肉塊3体に囲まれ呆然と灰色の空を仰いでいる。結局・俺のいる位置は・あの頃と・何ら・変わっていない・じゃないか。いや、死の影と共に踊り狂っている今の方がよっぽど惨めで惨たらしい。


BSコントローラで現在地を確かめ、街までの距離を計る。―――遠い。だが行かねば。四肢に力を込める。ぐらり。世界が揺れる。血を流しすぎたか。エナジーカプセルはもう使い果たしていた。
丁度そこに、戦車が通りかかった。どうやらトレーダーのもののようだ。トレーダーはこちらの惨状に気付いた様子で、慌てて駆け寄ってきてくれた。その足が、急遽止まる。
「あ、あ、あんた・・・死神ハンター!?」
見る見るうちにトレーダーの顔が青ざめていく。
「こ、この人達も・・・全部あんたが殺したのかっ!?・・・ひいいいっ」
そういうとこちらの喋る間も無く戦車に逃げ帰っていった。


―――ああそうか、俺は本当に死神なんだ―――。


「そうだよ」


俺はそう言って使い古した愛銃を構え、トレーダーの頭をスコープした―――。